【最新版】緊急避妊薬の成功率は?|飲み方や種類別の効果を徹底解説!

予期せぬ妊娠を防ぐために用いられる緊急避妊薬(アフターピル)は、性行為後に服用することで妊娠を予防する医薬品で、「避妊具が破れる、避妊をしなかった」などの緊急時に使われる最後の手段です。

しかしながら、アフターピルを使うにも、次のような疑問を持つ方が多いのではないでしょうか。

緊急避妊薬(アフターピル)はどのような仕組みで妊娠を防ぐのか?
緊急避妊薬にはどのような種類があり、それぞれの特徴は何か?
緊急避妊薬の成功率はどのくらいか?
緊急避妊薬を服用する際に注意すべき副作用や価格帯は?
アフターピルって、保険適用になる場合もあるの?

この記事では、緊急避妊薬の仕組みと種類、各薬剤の特徴、服用方法、価格帯について詳しく解説します。

緊急避妊薬の仕組み

緊急避妊薬は、以下の3つのメカニズムで妊娠を防ぎます。

  1. 排卵の抑制
    排卵を遅らせたり防ぐことで、精子と卵子が出会うのを防ぎます。性行為が排卵直前に行われた場合に特に効果を発揮します。
  2. 受精の阻害
    精子が卵子に到達して受精するのを阻害します。排卵後に服用した場合でも一定の効果が期待されます。
  3. 着床の防止
    受精卵が子宮内膜に着床するのを防ぎます。着床が成立する前の段階で服用することが重要です。

具体的には、排卵がまだ起こっていない段階で薬を服用すると、排卵そのものを遅らせたり防いだりする働きがあります。

一方、すでに排卵後であっても、精子が卵子に到達して受精するのを防ぐ効果が期待されます。

また、受精卵が形成された場合でも、子宮内膜への着床を阻害することで妊娠の成立を防ぎます。

緊急避妊薬は、一般的な避妊方法(コンドームや低用量ピル)に比べ、緊急時に用いる「最後の手段」とされる薬です。

そのため、性行為後にできるだけ早く服用することが成功率を高める重要なポイントです。

特に、性行為後24時間以内の服用が最も効果的とされています。

ただし、服用するタイミングや体質によっては完全に妊娠を防げない可能性があるため、服用後も注意深く体調を観察し、必要に応じて医師の診察を受けることが推奨されます。

緊急避妊薬の成功率比較

緊急避妊薬や避妊法ごとに、妊娠阻止率(成功率)は異なります。

以下の表では、主要な緊急避妊薬や方法についての成功率を比較しています。

緊急避妊薬/方法服用時間成功率(妊娠阻止率)
ノルレボ性行為後24時間以内約95%
性行為後48時間以内約85%
性行為後72時間以内約58%
レボノルゲストレル性行為後24時間以内約95%(ノルレボと同等)
性行為後48時間以内約85%(ノルレボと同等)
性行為後72時間以内約58%(ノルレボと同等)
ヤッペ法(緊急避妊方法)性行為後72時間以内約75%
エラ(未承認)性行為後120時間以内(5日間)約85%

参考サイト:アフターピル(緊急避妊薬)の効果とは?仕組みや副作用、使い方を徹底解説 | 二宮レディースクリニック【泌尿器科・婦人科・アートメイク】

ただし、これらの数値は一般的なものであり、個人差や服用のタイミング、体質などによって効果は異なる場合があります。

緊急避妊薬の使用を検討する際は、医師や薬剤師に相談し、適切な指導を受けることを強くおすすめします。

次に、緊急避妊薬の種類や方法別の詳細をご紹介します。

緊急避妊薬の種類と方法別|特徴や価格

緊急避妊薬にはいくつかの種類があり、使用される薬剤や方法、効果、副作用、価格帯が異なります。

本章では、日本で承認されているノルレボやそのジェネリック医薬品レボノルゲストレル、緊急避妊法として広く知られるヤッペ法、そして日本では未承認の新型アフターピルエラについて詳しく解説します。

ノルレボ(先発品)

ノルレボは、日本で最も一般的に使用される緊急避妊薬です。

有効成分であるレボノルゲストレルを1錠服用するだけで効果を発揮します。

  • 有効成分:レボノルゲストレル(1.5mg)
  • 服用方法:性行為後72時間以内に1錠を服用(早ければ早いほど効果的)
  • 特徴
    • 妊娠阻止率は約85%
    • 軽度の吐き気や頭痛などの副作用があるが、安全性が高い
    • 一度の服用で完結するため、服用方法が簡単
  • 価格帯:8,000円~15,000円(診療費込み)
  • 注意点:服用後に生理が遅れる場合は妊娠検査を行うか、医師の診察を受けることが推奨されます。

ノルレボは一度の服用で効果を発揮するため、飲み忘れや服用ミスのリスクが低い点が特徴です。

ただし、服用後に生理が遅れる場合は、妊娠している可能性があるため、妊娠検査を行うか、医師に相談することが推奨されます。

価格は8,000円~15,000円程度と高価ですが、安全性の高さから多くの女性に利用されています。

レボノルゲストレル(ジェネリック医薬品)

レボノルゲストレルは、ノルレボのジェネリック医薬品で、先発品と同じ有効成分を含みます。

  • 有効成分:レボノルゲストレル(1.5mg)
  • 服用方法:性行為後72時間以内に1錠を服用(早ければ早いほど効果的)
  • 特徴
    • 先発品と同等の効果が期待される
    • 価格が先発品より安価
    • 吐き気や軽い頭痛などの副作用がある
  • 価格帯:6,000円~10,000円(診療費込み)
  • 注意点:最近のニュースで「ジェネリック医薬品の4割が、承認書と異なる製造をしていた」との指摘がありました。このため、筆者は安全性を優先して先発品のノルレボを選択しています。

参考ニュース:後発薬4割、承認書と異なる製造 業界自主点検に「衝撃的」(共同通信) – Yahoo!ニュース

副作用はノルレボと同様に軽度の吐き気や頭痛が主で、比較的安心して利用できる薬ですが、緊急避妊薬を選ぶ際には、費用だけでなく品質や信頼性も考慮することが重要です。

エラ(日本未承認)

エラは、海外で広く使用されている新型緊急避妊薬で、効果が高いのが特徴です。

  • 有効成分:ウリプリスタル酢酸エステル
  • 服用方法:性行為後120時間(5日間)以内に1錠を服用。
  • 特徴
    • 妊娠阻止率は約95%と非常に高い。
    • 性行為から時間が経過していても効果が期待できる。
    • 副作用が少ない。
  • 価格帯:個人輸入の場合5,000円~10,000円程度。
  • 注意点日本では未承認であり、個人輸入や海外での処方が必要です。偽物も多いため、上記二つのアフターピルと比べても、非常に注意が必要です。

緊急時には使用可能ですが、輸入時の注意や海外での購入時に信頼できる医療機関を選ぶことが重要です。

ヤッペ法

ヤッペ法は、低用量ピルや中用量ピルを応用した緊急避妊法です。

特別な薬剤が不要で、比較的安価に対応できる点が特徴です。

  • 使用薬剤:プラノバール(中用量ピル)など。
  • 服用方法:性行為後72時間以内に2錠を服用し、12時間後にさらに2錠を服用。
  • 特徴
    • 妊娠阻止率は約75%と、他の方法に比べやや劣る
    • 吐き気や嘔吐、頭痛などの副作用が強い場合がある。
    • 現在では副作用が少ない緊急避妊薬が普及しているため、使用頻度は減少。
  • 価格帯:5,000円~8,000円(診療費込み)。

各薬剤や方法には、それぞれの利点や注意点があります。

例えば、ノルレボは安全性が高く簡単に服用できる一方、ヤッペ法は安価な薬で代用できるものの副作用が強いという特徴があります。

また、エラのような新型薬は効果が高いですが、日本国内では利用が難しい現状があります。

それぞれの特徴を理解し、必要な時に適切に選択できるように備えておきましょう。

効果は異なる場合があります。緊急避妊薬の使用を検討する際は、医師や薬剤師に相談し、適切な指導を受けることを強くおすすめします。

緊急避妊薬は保険適用されるのか?

日本では、緊急避妊薬(アフターピル)は保険適用外です。

そのため、診察費や薬剤費はすべて自己負担となり、医療機関によって費用に差があります。

たとえば、ノルレボの価格は8,000円~15,000円程度、ジェネリック医薬品のレボノルゲストレルは6,000円~10,000円程度が一般的です。

また、ヤッペ法を選択する場合は比較的安価で5,000円~8,000円程度となっていますが、いずれも保険適用外であることに変わりありません。

保険適用外の理由

  • 緊急避妊薬は、治療目的ではなく予防目的の薬と見なされているため、保険適用の対象外とされています。
  • 日本では、避妊関連の薬剤や処置が保険適用されること自体が非常に少ないという制度上の背景があります。

将来的な保険適用の可能性

現在、一部の団体や医療専門家からは、緊急避妊薬の保険適用を求める声も上がっています。

理由としては、緊急避妊薬が経済的な理由で入手困難な女性が存在することや、早急な対応が求められる状況では価格が障壁になるという問題が挙げられます。

しかし、現時点では具体的な進展は見られていません。

海外との比較

日本では保険適用外ですが、他国では公的医療保険や助成金制度の対象となっている場合もあります。

たとえば、ヨーロッパの一部の国やカナダでは、無料で緊急避妊薬を入手できる仕組みが整っています。

日本では、緊急避妊薬の高額な費用が負担となるケースが多く、制度の見直しが期待されています。

一方で、緊急避妊薬を選択する際には費用面を含めて計画的に判断することが重要です。

緊急避妊薬の課題と改善の可能性

日本では、緊急避妊薬を入手するために医師の処方箋が必要です。

このため、特に地方や深夜など、迅速な対応が難しい場合があります。

また、ジェネリック医薬品に対する不安が一部の利用者から指摘されています。

今後、薬局での販売許可やエラのような新型薬の承認が進むことで、より多くの選択肢が提供されることが期待されます。

まとめ

緊急避妊薬は、予期せぬ妊娠を防ぐための重要な手段です。

本記事では、「ノルレボ」「レボノルゲストレル」「ヤッペ法」「エラ」について詳しく解説しました。

それぞれの特徴を理解し、必要に応じて適切に選択しましょう。

また、医師と相談の上、使用方法を守ることが重要です。

<参考記事>

緊急避妊に係る取組について|厚生労働省

pilcon.org/help-line/afterpill

000838183.pdf