失業保険の全貌解説!自己都合退職でも賢く受給|知らなきゃ損する早期再就職手当も◎
失業手当は、退職後の生活を支える大切な制度です。
特に自己都合退職の場合、待機期間や給付制限期間などを経て支給が開始されるため、その仕組みを正しく理解することが重要です。
また、受給期間中に早期再就職が決まった場合でも、「早期再就職手当」を活用すれば、残りの失業手当の一部を一括で受け取ることができます。
この記事では、以下の執筆文太さん(37歳、自己都合退職)のケースをもとに、失業手当の受給開始日や受給日数、さらに早期再就職手当の条件や支給額について具体的に解説します。
「自己都合退職の場合、失業手当はいつから支給されるのか?」
「失業手当の受給日数はどのように計算されるのか?」
「早期再就職手当を受け取るための条件は何か?」
「失業手当を満額受け取るにはどうすればいいのか?」
退職後の不安を軽減し、次のステップに進むためのポイントをしっかり押さえましょう。
失業者の例
- 年齢:37歳(退職時点で65歳未満の一般受給者)
- 雇用保険の被保険者期間:6年
- 退職理由:自己都合
- 退職日:2024年11月20日
- ハローワーク手続き日(仮定):2024年11月26日
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【失業保険】はいつから貰える?
まずは失業手当について、見ていきましょう。
自己都合退職の場合
自己都合退職の場合、失業手当の受給開始までには以下の期間が必要です。
- 受給資格決定日:ハローワークで手続きを行った日
- 待機期間:受給資格決定日から7日間
- 給付制限期間:待機期間終了後、2ヶ月間
※以前は3か月でしたが、2020年10月1日以降の制度変更により、2か月に短縮されました。
例えば、2024年11月26日にハローワークで手続きを行い、受給資格が決定した場合は、以下のスケジュールになります。
- 受給資格決定日:ハローワークで手続きをした2024年11月26日。
- 待機期間:11月26日~12月2日(7日間)が待機期間です。この期間中は失業手当は支給されません。
- 給付制限期間:待機期間終了後の12月3日~2025年2月2日(2か月間)が給付制限期間です(失業手当は支給されない)。
- 失業手当の支給開始日:2025年2月3日(月)以降から、失業手当の支給が開始されます。
したがって、最初の失業手当の支給は、2025年2月3日以降となります。
ただし、退職理由や個別の状況により、給付制限期間が異なる場合があります。詳細はハローワークでご確認ください。
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受給期間と給付額
失業手当(基本手当)の受給期間や給付額は、退職時の年齢や雇用保険の被保険者期間によって異なります。
以下は、一般的な「自己都合退職」の場合の受給可能な給付日数の概要です。
被保険者期間ごとの【受給日数】
自己都合退職の場合、受給日数は以下の表に基づきます。
受給日数(一般の離職者の場合)
被保険者期間 | 受給日数(自己都合退職) |
---|---|
1年以上5年未満 | 90日 |
5年以上10年未満 | 120日 |
10年以上20年未満 | 150日 |
20年以上 | 180日 |
執筆文太さんの被保険者期間が6年であるため、120日分の受給が可能です。
受給日が2025年2月3日(月)なので、受給日数が満了する日は2025年6月2日(月)となります。
注意点
給付日数は「実際の支給開始日(待機期間・給付制限後)」から数えられるため、受給終了日はその日数分、後となります。
また、毎月一定額が支給されるわけではなく、数回に分けて支給されます。
詳細な日数や金額は、ハローワークでの手続き時に正確に確認できます。
支給金額の計算
失業手当の1日あたりの支給額(基本手当日額)は、退職前の直近6ヶ月間の給与総額を基に計算されます。
具体的には以下のような計算式です。
基本手当日額:退職前6ヶ月の総支給額 ÷ 180日 × 所定の給付率
所定の給付率は、年齢や給与額によって異なります(約50~80%が目安)。
具体的な金額や支給スケジュールについては、ハローワークで案内される明細書を基に確認できます!
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【必見】失業手当(基本手当)を全額受け取る方法
失業手当を全額受け取るには、受給終了日以降に就職する必要があります。
執筆文太さんの場合は、受給終了日が6月2日なので、6月3日以降に就職した場合、失業手当が全額受け取れることになります。
注意点:給付制限期間に就職したら、失業手当は1円も貰えない!
ここで多くの方の「誤解」を紹介しましょう。
先程ご紹介したように、失業手当には「待機期間」と「給付制限期間(待機期間後の2ヵ月間)」が設けられています。
このことから、失業保険を「後払いの制度」と思われている方も多いようですが、実は全く違うんです。
給付制限期間は、「今後もずっと給付が受けられない期間」です。
つまり、失業手当事体が発生し始めるのが、給付制限期間後というわけです。
執筆文太さんの場合、2月3日が受給開始日なので、それ以前の期間分の失業手当は貰えません。
たとえば、執筆文太さんが2月2日就職した場合、失業手当は一円も貰えないことになります。
このように、給付制限期間(自己都合退職の場合、待機期間後の2ヶ月間)を終えた後に就職してしまうと、受給資格があっても一度も失業手当を受け取れないというケースが発生します。
失業手当が貰えない理由を振り返る
失業手当は「失業状態」にあることが前提です。そのため、以下の条件を満たさない場合は支給されません。
- 待機期間(7日間)を終了していること
- 給付制限期間を終了していること
- 就職していないこと
例えば、2024年11月20日に退職した執筆文太さんが2025年2月1日に就職すると、
- 待機期間(11月26日~12月2日)と給付制限期間(12月3日~2月31日)は完了します。
- しかし、給付制限期間失業手当が支給開始される直前に「就職済み」と判断され、支給が始まらないまま終わります。
ただし、失業手当が貰えずとも「早期再就職手当」を貰うことができます。
早期再就職手当という選択肢
2月に就職する場合でも、「早期再就職手当」を申請することで、一部の失業手当を受け取ることができます。
受給条件
- 待機期間を終了していること
- 給付制限期間中または支給開始後に就職すること
- ハローワークの紹介状を利用すること(または事前申請済み)
支給額
- 残りの失業手当の50~60%が【一括支給】されます。
結論
- 全額受け取る場合:失業手当の支給終了日まで就職しない。
- 早期就職する場合:早期再就職手当を活用して、少しでも手当を受け取る。
どちらが良いかは、経済状況や就職の緊急度に応じて判断しましょう。ハローワークで状況を詳しく相談することもおすすめです!
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【要注意】早期再就職手当を受け取る条件
さきほど、早期再就職手当の受給条件として、「待期期間の終了」「給付制限期間中または支給開始後の就職」「ハローワークの紹介状を利用すること(または事前申請済み)」を紹介しました。
ここで記載したように、早期再就職手当を受け取るためには、通常はハローワークの紹介を通じて就職することが条件とされています。
ただし、ハローワークを通さずに自分で就職先を見つけた場合でも、「事前申請」を行うことで早期再就職手当を受け取れるケースがあります。
再就職の事前申請
事前申請は、自分で見つけた就職先であっても、ハローワークに事前にその就職先を報告し、条件を満たす場合に早期再就職手当の対象となる手続きのことです。
事前申請の手順
- 就職が決まった時点でハローワークに連絡
- 自分で見つけた就職先の情報(企業名、職種、雇用形態など)を報告します。
- 雇用契約書などの提示
- 就職先との雇用契約が確認できる書類を提出します。
- ハローワークが条件を確認
- 早期再就職手当の対象になるかどうかをハローワークが判断します。
ハローワークを通さない就職の場合の注意点
自分で就職先を見つけた場合でも、以下の条件を満たしていれば早期再就職手当が支給されます:
- ハローワークに事前報告していること
- 事前に就職先を報告せずに就職すると、手当を受け取れません。
- 就職先が適切な条件を満たしていること
- 雇用保険に加入する条件を満たす正社員や契約社員、パート・アルバイトなどが対象。
- 短期間や特定の契約形態(雇用保険非加入)では対象外となる場合があります。
事前申請を行わない、または報告が遅れた場合、早期再就職手当を受け取ることはできません。
ハローワークを通じていない就職であっても、必ず事前申請を行うことが重要です。
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手当は貰える?アルバイト & 実家の事業手伝い
アルバイトをしたり、実家の事業を週末だけ手伝う場合でも、失業手当の受給条件や早期再就職手当の対象になるかどうかが状況によって異なります。
以下にポイントを整理しました。
失業手当を受け取るための条件
失業手当を受け取るには、以下の条件を満たす必要があります。
- 「失業状態」であること
- 働く意思と能力があり、積極的に就職活動をしている。
- ハローワークが「就労していない」と認める状態であること。
加えて、報酬のあるなしが関係してきます。
報酬がある場合の対応
- ハローワークに申告が必要
- 実家の事業の手伝いで得た報酬(その他アルバイトや臨時収入も含む)は、必ずハローワークに申告する必要があります。
- 1日4時間以上働く場合は、その日は「就労日」とみなされ、失業手当が支給されません。
- 1日4時間未満の場合でも、報酬額によっては手当が減額される可能性があります。
報酬額による調整
- 収入が基本手当日額の80%を超えると、手当はその月は支給停止となります。
- 収入が少ない場合、手当を減額調整して支給されます。
報酬がない場合
報酬が発生しない場合でも、以下の点に注意が必要です。
- 実質的に「働いている」とみなされる場合
- 報酬がなくても、頻繁に長時間働いている場合、「失業状態」と認められない可能性があります。
- 家族経営の事業では特に、ハローワークが「実質的な就労」と判断する場合があるため、事前相談が重要です。
早期再就職手当の対象か
実家の事業を「正式な雇用契約」として働く場合は、以下の条件を満たせば早期再就職手当の対象となる可能性があります。
- 雇用保険に加入する場合
- 雇用契約書を作成し、実家の事業が雇用保険適用事業所として認定されている必要があります。
- 事前申請を行う場合
- ハローワークに事前に報告し、早期再就職手当の条件を満たしていると確認されること。
最も最悪なのが、「実家の事業を毎日手伝っていて給料は貰っていないが、労働とみなされて失業手当が貰えなかった。雇用保険には加入してないので、早期再就職手当の対象にもならない」ということです。
実はこういったパターンもかなり多いので、失業中はアルバイトや家業の手伝いは控えた方が良いかもしれません。
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【保存版】パートやアルバイトでも有給は取得できる!知っておきたい有給休暇ルール
【内定の扱い】失業手当は貰えるのか?
失業手当は「失業状態」であることが前提ですが、内定が決まっただけでは受給資格を失わないことが一般的です。
例えば、執筆文太さんが2月5日に内定をもらい、4月1日から働き始める場合、実際に働き始める(4月1日)までの間は、失業手当を受け取ることができます。
ただし、内定をハローワークに申告する必要があります。
内定を申告する必要性
ハローワークでは、内定が決まった場合でも、受給資格者としての「失業状態」が続いているかを確認します。
ただし、内定をハローワークに報告せず、隠した場合、不正受給とみなされる可能性があります。
ハローワークへの報告内容として、以下の情報を伝える必要があります。
- 内定日
- 入社日
- 予定されている就業形態(雇用形態・勤務開始時期など)
早期再就職手当について
執筆文太さんが4月1日に出社する場合、失業手当の支給終了日(6月2日)よりも早く就職することになるため、「早期再就職手当」の対象になる可能性があります。
支給額
支給される金額は、未支給の残日数×基本手当日額の50~60%程度です。
条件を満たしていれば、一括で支給されるため、失業手当を途中で止めても経済的に有利になる場合があります。
再就職後の生活に安心感をもたらす制度として、有効に活用しましょう。
必要条件
- 内定時点での事前報告が必須です。
- 早期再就職手当の対象となるには、ハローワークへの報告と手続きが完了していることが求められます。
早めにハローワークに相談し、必要な準備を整えることで、制度をスムーズに活用できるでしょう。
\106万の壁撤廃しても、週20時間の基準は残るので、働き方にはまだ注意が必要です!詳しくはコチラ/
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まとめ
失業手当の受給は、退職後の生活を支える大切な制度です。
制度を正しく理解し、待機期間や給付制限期間を把握することで、安心して次のステップへ進む準備ができます。
また、早期再就職手当を活用すれば、再出発の支えとして手当を受け取ることも可能です。
自分に合った選択をしっかり考え、スムーズに手続きを進めていきましょう!
<参考記事>
失業手当(失業保険)とは? もらえる人や金額・期間・手続き方法【社労士監修】| マイナビ転職 転職実用事典「キャリペディア」