【税理士試験】最初に受ける科目はこれ!効率的なスタートダッシュを切ろう

税理士試験に挑戦しようと決意したものの、「どの科目から受験すればいいの?」と迷う方は多いのではないでしょうか。

税理士試験の最初に受けるべき科目は何か?
簿記論と財務諸表論、どちらを先に受けるべきか?
必須科目を同時に受験するメリットとデメリットは?
選んではいけない選択科目の組み合わせは何か?
各科目の合格率や難易度はどの程度か?

本記事では、最初に受けるべき科目の選び方やおすすめ科目を詳しくご紹介します。

税理士試験の概要を理解しよう

税理士試験は大きく「必須科目」と「選択科目」に分かれています。

必須科目は全受験者が合格しなければならないもので、選択科目は自身のキャリアプランや得意分野に応じて選びます。

【必須科目】

  • 簿記論:企業の取引を帳簿に記録するための基本的な知識と技術を問う科目。
  • 財務諸表論:財務諸表の作成・分析方法を学び、企業の経営状態を正確に理解する力を養う科目。

【選択必須科目】(以下から1科目)

  • 所得税法:個人の所得に課される税金の計算方法や申告手続きを学ぶ科目。
  • 法人税法:法人の所得に対する課税方法や税務処理の実務を学ぶ科目。

【選択科目】(以下から2科目)

固定資産税:土地や建物などの固定資産に課される税金の評価と計算方法を学ぶ科目。

相続税法:相続や贈与に関連する税金の計算方法と手続きを学ぶ科目。

消費税法 or 酒税法(どちらか1科目):

消費税法:消費税の仕組みや計算方法、申告手続きを学ぶ科目。

酒税法:酒類に課される税金の計算や法規制について学ぶ科目。

国税徴収法:税金の徴収方法や未納時の対応手続きに関する知識を問う科目。

住民税 or 事業税(どちらか1科目):

住民税:地方自治体に納める税金の計算方法と手続きを学ぶ科目。

事業税:事業活動に対する課税方法や計算方法を学ぶ科目。

選んではいけない科目の組み合わせ

税理士試験には、選択できない科目の組み合わせも存在します。

以下の組み合わせは同時に選択することができないため、注意が必要です。

  • 住民税事業税」、「消費税法酒税法」:カッコ「」内の2科目は、どちらか一方のみ選択可能です。
  • 所得税法消費税法 :受験は可能ですが、両方とも選択科目としては負担が大きく、効率的な学習計画を立てることが難しくなります。
  • 法人税法固定資産税 :こちらの組み合わせも推奨されていません。学習範囲が広く、難易度も高いため、初学者には不向きです。

これらの制約を理解した上で、自分に最適な科目選びを行いましょう。

合格率から見る最初の科目選び

科目選びにおいて合格率も重要な指標となります。

比較的合格率が高い科目を最初に選ぶことで、自信を持って次のステップに進むことができます。

  • 簿記論:合格率は約15%前後。基礎的な計算力が問われるため、日商簿記2級以上の知識があると有利です。
  • 財務諸表論:合格率は約20%前後。理論と計算のバランスが必要で、文章力も問われます。
  • 消費税法・酒税法:合格率は比較的高めで、20%を超えることもあります。学習範囲が狭いため、短期間で合格を狙いやすいです。
  • 法人税法:合格率は約10%前後と低め。学習範囲が広く、難易度も高いため、最初に受ける場合は注意が必要です。

最初に受けるべき科目は?

税理士試験のスタンダードなスタートは、簿記論財務諸表論です。

これらは必須科目であり、他の科目の理解にも繋がる基礎知識を習得できます。

簿記論から始めるべき人

  • 計算が得意な人:簿記論は計算問題が中心。数字を扱うのが得意な人には向いています。
  • 日商簿記2級以上を取得している人:すでに簿記の基礎知識がある場合、スムーズに学習を進められます。
  • 短期間で結果を出したい人:簿記論は対策がしやすく、早期の合格を目指しやすいです。

財務諸表論から始めるべき人

  • 理論的な思考が得意な人:財務諸表論は理論問題が多く、論理的な文章構成が求められます。
  • 文章力に自信がある人:記述式の問題が多いため、表現力が強みとなります。
  • じっくりと学びたい人:理論と計算の両方を学ぶため、バランス良く知識を深めたい人に最適です。

必須科目を2科目同時受験するパターン

多くの受験者は、簿記論財務諸表論を同時に受験するパターンを選びます。

この方法にはいくつかのメリットとデメリットがあります。

同時受験のメリット

  • 相互補完的な学習効果:簿記論の計算力が財務諸表論の理解に役立ち、財務諸表論の理論が簿記論の背景理解を深めます。
  • 効率的な学習計画:同じ分野の知識を同時に学ぶことで、重複部分を効率よく学習できます。
  • 早期の試験突破:必須科目を一気にクリアすることで、選択科目に専念できる期間を確保できます。

同時受験のデメリット

  • 学習負担の増加:2科目同時に学習するため、計画的なスケジュール管理が不可欠です。
  • モチベーション管理が重要:一方の科目でつまずいた場合、もう一方にも影響を及ぼす可能性があります。

どちらを選ぶか迷ったときのアドバイス

  • 自分の得意分野を考慮する:数字が得意なら簿記論、文章力に自信があれば財務諸表論を選びましょう。
  • 将来のキャリアを見据える:会計事務所など実務で即戦力を目指すなら簿記論、理論的な理解を深めたいなら財務諸表論が有利です。
  • 学習スタイルに合わせる:独学で進めやすいのは簿記論、講義やテキストでじっくり学ぶのが向いているのは財務諸表論です。
  • 時間と労力を考慮する:短期間で結果を出したい場合は簿記論を優先、余裕があれば両方の同時受験も視野に入れましょう。

科目選びの成功事例と失敗事例

成功事例

  • 事例1:社会人で時間が限られている場合
    最初に簿記論を選び、基礎力をしっかりと固めたことで、後の財務諸表論や税法科目の学習がスムーズに進んだ。
  • 事例2:理論が得意な学生の場合
    財務諸表論からスタートし、理論の理解を深めたことで他の税法科目の学習にも好影響を与えた。
  • 事例3:同時受験で効率アップ
    簿記論と財務諸表論を同時に受験し、関連性の高い知識を並行して学ぶことで、短期間で2科目合格を達成。

失敗事例

  • 事例1:負担の大きな科目からスタート
    いきなり法人税法に取り組んだ結果、学習範囲の広さに圧倒され、モチベーションが低下。基礎科目から始めればよかったと後悔。
  • 事例2:無計画な同時受験
    簿記論と財務諸表論を同時に受験したが、スケジュール管理が甘く、どちらの科目も中途半端になってしまった。

まとめ

税理士試験の最初の科目選びは、その後の学習の基盤を作る重要なステップです。

簿記論や財務諸表論を選ぶことで基礎力を養い、効率的な学習を進められるでしょう。

選んではいけない科目の組み合わせに注意しつつ、合格率や自分の得意分野を考慮して最適なスタートを切りましょう。